ニュースリリース
東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターとのヒトに関するゲノムデータ解析技術に係る共同研究契約締結のお知らせ
- 2025年10月20日
- プレスリリース
この度、当社は、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター健康医療インテリジェンス分野の井元清哉教授と、ヒトに関するゲノムデータ解析技術に係る共同研究契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。
次世代シーケンスは、数千万から数億のDNA断片の塩基配列を高速に決定することができる技術であり、近年のゲノム研究を大きく進展させ、ゲノム医療の実現に必須となっています。一方で、従来の次世代シーケンスはショートリードを基盤としており、リード長が数百塩基以下に限られているため、複雑なゲノム領域や反復配列の解読、大規模構造変異などの正確な検出には限界があります。これに対し、近年開発が進んでいるロングリードシーケンスは、数千から数十万塩基に及ぶ長鎖配列を一括して解読可能であり、さらに遺伝子のオン/オフを制御するDNAメチル化情報(※)を取得できることから、従来技術の制約を克服し得る手法として注目されています。同時に、ロングリードシーケンス等の技術によって得られる膨大なデータを高速に処理し必要な情報を整理するゲノムデータ解析の技術開発が、ゲノム研究およびゲノム医療に幅広く活用していくための重要な課題となっています。
本共同研究では、ロングリードシーケンス等により得られるヒトおよび細菌叢等のゲノムデータを解析するための技術開発を行うことにより、ゲノム研究およびゲノム医療を促進することを目的としています。本共同研究において、当社は、ロングリードシーケンスデータの取得とデータ解析技術の開発および実装を担当します。
【本共同研究の概要】
研究題目 ヒトに関するゲノムデータ解析技術の研究
研究代表者 東京大学医科学研究所 附属ヒトゲノム解析センター センター長 兼
健康医療インテリジェンス分野 教授 井元清哉
(※)DNAメチル化情報
DNAメチル化は、DNAの特定の塩基にメチル基が付加される化学修飾で、遺伝子のオン/オフを調整する機能を持ち、細胞の分化や発生を制御しています。ゲノム研究の進展に伴い、DNA塩基配列は正常でも、DNAメチル化に異常が起きることで、がんや神経疾患などの発症の原因となっていることが明らかになってきました。DNAメチル化情報を解析することによって、疾患メカニズムの解明や新たな治療薬の開発を促進し、より高度な診断や治療を実現する個別化医療に役立つことが期待されています。
(参考)オンコセラピー・サイエンス株式会社 IRニュース
https://www.oncotherapy.co.jp/wp-content/uploads/2025/10/251017_01.pdf
