MHCテトラマー解析
蛍光標識したMHCテトラマーを用いたフローサイトメトリーにより、サンプル中の抗原特異的T細胞を検出します。MHCテトラマー解析は、感染症やがん免疫療法、自己免疫疾患などの基礎研究および臨床開発において、T細胞免疫応答のモニタリング法として利用されています。ソーティングにより回収した抗原特異的T細胞は、T細胞受容体(T-cell receptor;TCR)レパトア解析用サンプルとして利用することができます。
特長
- 日本国内完結型の受託解析サービス
- カスタムテトラマーの作製にも対応
- サンプル中に存在する抗原特異的T細胞の前培養(IVS)を実施
- ELISPOT解析やTCRレパトア解析と組み合わせた詳細な免疫解析の一括受託も可能
解析内容
サンプルとして、ヒト末梢血単核球(PBMC)、MHCテトラマー(既製品)もしくは抗原ペプチド(カスタムテトラマー作製用)をご提供いただきます。提供いただいたMHCテトラマー、または弊社にて作製した蛍光標識MHCテトラマーでPBMCを染色し、フローサイトメトリーにより解析を行います。
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- 前培養(IVS)
- テトラマー解析前に、IVS(in vitro sensitization)による前培養を2週間行います。IVSは試験管内での抗原刺激によって抗原特異的T細胞の活性化や増殖を促す方法です。がん抗原特異的T細胞など、存在頻度の低い細胞を検出する場合に実施を推奨しています。(前培養なしでのご依頼も可能です。)
- カスタムテトラマー作製
(オプション) - ご提供いただいた抗原ペプチドを用いて、解析に使用する蛍光標識MHCテトラマーを作製します。(QuickSwitch Quant Tetramer Kitを使用)
※対象:HLA-A*02:01およびHLA-A*24:02
※ペプチドのHLAに対する結合親和性が低い場合、MHCテトラマーを作製できないことがあります。
- テトラマー染色
- 蛍光標識したMHCテトラマーとT細胞表面に発現しているT細胞受容体が結合します。
- フローサイトメトリー
による検出 - フローサイトメトリーにより、蛍光標識MHCテトラマーに結合した抗原特異的T細胞を直接検出します。
- データ解析
- 抗原特異的T細胞(MHCテトラマー陽性細胞)の存在率を算出します。
受託項目
MHCテトラマー解析 |
PBMCの前培養後、MHCテトラマーを用いてテトラマー解析を行います。 ※使用するMHCテトラマーは、ご提供いただくか、オプションの「カスタムテトラマー作製」を合わせてご依頼ください。 ※前培養が不要な場合はご相談ください。 |
|
---|---|---|
オプション | カスタムテトラマー 作製 |
抗原ペプチドをご提供いただき、解析に使用する蛍光標識MHCテトラマーをカスタムで作製します。(対象:HLA-A*02:01およびHLA-A*24:02) |
抗原特異的T細胞の分離・回収 (セルソーティング) |
MHCテトラマーにより標識したオプションMHC陽性細胞をセルソーターを用いて分離・回収します。別途「T細胞受容体(TCR)レパトア解析」を組み合わせてご依頼いただくことも可能です。 |
ご提供いただくサンプル
以下の条件を満たさない場合や、ウイルス等による感染性が疑われるサンプルの場合は事前にご相談ください。
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解析項目 | 材料 | 必要量 | 保存容器 | 保存方法 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
MHCテトラマー解析 | ヒトPBMC | 6×106 cells程度 (抗原ペプチド1種類あたり) 解析条件に依存するため要相談 |
1.5~2 mL チューブ |
細胞保存液を添加し、 -80℃ |
|
抗原ペプチド | 粉末 2 mg (凍結乾燥、純度95%以上) |
0.5~2 mL チューブ |
各ペプチドの最適保存 条件にて保存 |
抗原ペプチドによる前培養を行う場合。詳細は個別にご相談ください。 | |
MHCテトラマー (既製品) |
25 μL | 0.5~2 mL チューブ (遮光) |
4℃(遮光) | オプション「カスタムテトラマー作製」をご依頼いただく場合は不要 | |
カスタムテトラマー作製 | 抗原ペプチド | 粉末 1 mg (凍結乾燥、純度95%以上) |
0.5~2 mL チューブ |
各ペプチドの最適保存 条件にて保存 |
対象:HLA-A*02:01 HLA-A*24:02 |
抗原特異的T細胞の 分離・回収 |
別途お問い合わせください。 |
価格・納期
ご依頼の内容により異なりますので、お問い合わせください。
納品物
以下のデータを納品いたします。
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MHCテトラマー解析 | ドットプロット 各細胞集団の細胞数および全細胞集団に占める割合 |
---|---|
オプション: 抗原特異的T細胞の分離・回収 (セルソーティング) |
別途お問い合わせください。 |
納品方法: メール添付(パスワード付きZIPファイル)またはCD-R等
ご依頼方法
詳細は「受託解析サービス ご利用案内」をご参照ください。
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ご依頼
「解析依頼書」および別紙「サンプルリスト」に必要事項をご記入いただき、担当販売代理店までご提出ください。
「解析依頼書」はこちらからダウンロードいただけます。
※ご依頼の際は、「解析依頼書」に添付の「解析サービスのご利用にあたり」を必ずご確認ください。
サンプルのご送付
解析に必要なサンプルを、下記の送付先までご送付ください。月~金曜日(祝祭日を除く)着にて手配をお願いいたします。解析内容により、送付日の調整をさせていただく場合がございます。
- サンプルには、解析依頼書別紙「サンプルリスト」を同梱してください。
- 各サンプルチューブ(もしくはプレート)に、解析依頼書別紙「サンプルリスト」に記入したサンプル番号もしくはサンプル名を明記してください。
- サンプルは、以下の輸送条件にて着払いでご送付ください。
- 専門業者による輸送も承っております。ご希望の場合は事前にご相談ください。
サンプルの保存条件 | 輸送条件 |
---|---|
冷蔵(4℃) | 保冷剤梱包・冷蔵便 |
冷凍(-20℃)、超冷凍(-80℃) | ドライアイス梱包・冷凍便 |
留意事項
- 倫理審査を要する研究に本サービスの結果をご利用される場合は、ご所属機関における倫理審査委員会の承認を得たうえでご依頼ください。詳細は、「ヒトゲノム・遺伝子解析受託解析サービスについて」をご確認ください。
- サンプルにウイルス等による感染を疑うべき事情がある場合は、必ず弊社にご相談ください。安全の確認がとれない場合には、サービスの提供ができない場合がありますので、予めご了承ください。
- 個人情報に関しては、個人が特定できないよう匿名化したうえでご提供ください。
- お客様より提供いただいたサンプルおよび解析データ等は、業務終了後30日間保管し、当該期間の経過後に廃棄いたします。返却をご希望の場合は、事前にご相談ください。