ニュースリリース
ネオアンチゲン解析およびTCRレパトア解析に関連する論文公表のお知らせ
- 2020年7月16日
- プレスリリース
当社は、医療法人 慈生会 福岡がん総合クリニックと樹状細胞療法の科学的検証に係る共同研究を推進しております。この度、本研究に関連する論文がImmunological Investigations誌に掲載されました。
(https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/08820139.2020.1778721)
本論文は、化学療法抵抗性の卵巣がん患者さんにおけるネオアンチゲンペプチドを利用した樹状細胞療法について、臨床的および免疫学的効果を確認した結果を報告するものです。
がん細胞の遺伝子解析によって予測された4種のネオアンチゲンペプチドを利用した樹状細胞ワクチンを直接リンパ節内に投与した結果、腫瘍マーカー(CA-125)の顕著な低下および腹水内の腫瘍細胞の減少が認められ、呼吸不快感などのがんに関連する症状が改善されました。末梢血からのリンパ球を用いたIFN-γELISPOT解析により、ネオアンチゲンペプチドに対する免疫反応が検出されました。さらに、T細胞受容体(TCR)解析により、ネオアンチゲンペプチドを特異的に認識する細胞傷害性T細胞(CTL)がワクチン接種により誘導されたのち、腫瘍病変へ浸潤し、腹水にも存在していることが示唆されました。
これらの結果は、ネオアンチゲンペプチドを利用した樹状細胞療法が、がん治療において臨床的および免疫学的効果を与えることにより、化学療法抵抗性の進行したがん患者さんの新たな治療法となる可能性があることを示しています。
研究成果の一部(ネオアンチゲン解析、CTLの機能解析およびTCRレパトア解析)は当社で実施されました。
(参考)オンコセラピー・サイエンス株式会社 IRニュース
https://www.oncotherapy.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/200716_01.pdf